『秀兄……』

「思い出したか?ちぃ」

『思い出したぁーッ!!』



椅子から勢いよく立ち上がり、飛び付いた。

何で〝秀〟で思い出せなかったんだろう!

でも昔より髪色が落ち着いてるから誰か分かんないよ!



「わーッ!?」

「稚里っ!?」

「何やってんの稚里ー!」



みんなはあたしを引き剥がそうとするけど、秀兄がそれをヒョイッと避ける。



「秀さん!?」

「俺とちぃの感動の再会邪魔すんなー」



ぎゅっと腕に力を籠める秀兄は嬉しそう。

でもどこからか殺気を感じて…。