……〝秀〟さん?



「あっちで接待してやってくれや。みんなお前に餓えてるぜ?」

「もう!やめてくださいよ」

「ははッ!…まぁ、頼むわ」

「仕方ないですねぇ…」



そう言って蘭さんは先代方のところに行ってしまった。



「………」

『……?』



そしてその〝秀〟さんはあたしをジッと見つめる。



『……何ですか?』



琴音はいつの間にか居なくて。

痺れを切らしたあたしはそう聞いた。



「ん?ああ、悪いな?覚えてねぇかなって思って」



……覚えて?