少し頭を浮かしたら、暁斗に押さえられた。

くそう…、全員が通り過ぎるまでダメなのか…。

続けて8代目7代目6代目が通り過ぎた時だった。

ふわりといい香りがあたしの鼻を掠め、思わずバッと頭を上げてしまった。



「あッ…」

「バカ!」



気付いた時には遅く、その人と目がバッチリと合っていた。

1人だけ、男に混じって堂々としている人。



『ら…蘭さん…?』



体育祭でお世話になった、蘭さんだった。



「あれっ?稚里ちゃん!琴音ちゃんも!」