「お前ら、上行っとけ」

「でも…」

「いいから」



そう言うと、稚里を気にしながらも幹部部屋に行った。

…めんどくせえな。



「稚里」

『………何よ』



何警戒してんだよ。俺がお前を怒るとでも思ってんのか?



「そうやって暴れる前に、なんか言え」

『………』

「何でも溜め込むんじゃねーよ。何のための俺だ?」

『っ!』



俯いていた顔がゆっくり上がり、稚里と目が合った。

…泣きそうじゃねぇか。



「あいつらに言えなくても、俺には言え。」