何より、世界を見る事を、やめた。

どうせ周りの人間が自分に向ける視線と言ったら“好奇”“異様”な目。

ただ見た目だけで判断されて“不良”だって思われる事もあった。

でも、所詮は他人の目。

誰に何を思われたって構わない。

それは“他人の意見”であって“自分の意見”では無いから。



『いつからか、前髪を伸ばすようになった。施設の奴には“切れ”とか何とか言われたけど』

「…ん」

『それで事件が起きた。“前髪事件”』

「…はぁ?」



うふふ。世にもバカらしい“前髪事件”