「??」



不思議そうな顔をする琴音に、あたしは一つアクビを溢した。



『そういうのがあるんだよ。…暗黙の了解っつーやつ?』

「へぇ…。よく知ってるね?」

『……見てれば分かる』



誰かが近寄ってくれなきゃ、自分たちは騒ぐ事しか出来ない。

その証拠に、みんな一定の位置からこっちに来ようとはしない。



「ねぇ稚里。海入んない?」

『……行きたいなら行って来なよ』



あたしは何があっても海には入らない。絶対。

何しに来たか分からないけど。