手を引かれて、保健室を出る。

その際、傾きかけている太陽に目が眩んで一瞬目を閉じた。



「どうかした?」



もう一度目を開けると、蘭さんが逆行で少しだけ見えなかった。



『………。あ、いえ。大丈夫ですよ』



ムリヤリ、笑顔を作った。



「ふふ、変な稚里ちゃん」



―――まるで、蘭さんが光りの世界にいるようだった。

少しクサイ台詞かもしれないけど、あたしにはそう見えた。

…否。蘭さんだけじゃない。

みんながあたしにとっては、光。

眩しくて、キラキラしてて。