「はい、とーちゃ〜く♪」



ギィィ、と重そうな扉を開けた先には、入学式で会ったあの先輩が居た。



『あっ…』



やっぱり、あの先輩、ここのトップなんだ…。

3年…ビビってたもんなぁ……。



『あのっ、あの時は本当にありがとうございました』



そう言って頭を小さく下げると、周りから「えっ?」という声が聞こえた。



「…暁斗、会ってたの?」

「見回ってた時にナンパされててな」

「はぁ〜、なるほどなぁ」



珍しく、琴音が隠れずに横に立ってる。