クスクスと楽しそうに笑う琴音。

それに不服なあたし。



「稚里って、気になると目が動く」

『何それ。いつも動いてないみたいな』

「違うくて。いつも以上に動くの」



…よく分かりません。

楽しそうに笑う琴音は無視して、あたしはパクパクとお弁当を食べた。



「稚里は、もう前髪切らないの?」

『!』



前髪で思い出すあの悲惨な出来事…。

あたしの伸びきった前髪を切ろうとした、施設の先生がケガをした。

それはもちろん、あたしがケガをさせたから。