「正確に言えば守りたかった、らしい。」
「…守りたかった?」
不思議そうに潤々の顔を見つめる郁真。
それにこくり、と頷き、
「その当時、傘下の一部がプチ反乱起こしてたんだよ。でそれを俺らみたいな新人連中に知られたくなかったし、変なゴタゴタに巻き込みたくなかったみたいでさ。だからそれを幹部だけで止めてただけの話。」
「へぇ…え、けど潤さん知ってるじゃないスか。」
大和の意見に賛成するようにうんうん頷く瑠色。
この様子からして美宇は瑠色が知らない間に聞かされてたんだろう。
「まぁ俺は特攻隊のなかでも上部にいたしな。」
「そうだったんだ…潤々すごっ。」
「てか潤さん、話それました~」
と、少し感激する瑠色とは対称に文句を垂れる郁真に潤々は、悪い悪いと苦笑しながら再び話始めた。
「で、その雨の繁華街の裏通りで俺たちは出会(デクワ)した。」
おぉっと二人から冷やかしの声が漏れた。
茶々入れるとかまだまだ子供だよね…。