お母さんが子供の手をひいて帰ろうとしたがまだ遊び足りないらしく周辺をぐるぐる走り回っていた。

「晩御飯の用意をしなきゃいけないから、母さん先に帰るね。」

そう言ってすぐそばにある昔ながらの木造の家へ入っていった。
何か見覚えがあるなぁと思っていたら、父さんと母さんの写真に写っていた家だった。

いつの間にか日が暮れそうになっていた。


数分後にまた泣き声が隣から聞こえてきた。
泣き声のするほうへ目をやると、さっきの女の子が泣きながら草むらの中で何かを探しているようだった。



だいぶ時間が過ぎて全然見つかる様子になかったので仕方なく手伝ってあげる事にした。

「何を落としたんだい？」

「‥‥‥‥‥ペンダント。」

えっ！？

僕はその言葉を聞いて真剣に探し始めた。






全然見つからない‥‥。







あたりが薄暗くなりはじめてきた時。





キラリ！


ふと何かが光ったような気がした。

すぐさまその付近の草むらをかき分け、くまなく探した。
草むらから光ったモノが見つかり僕は女の子をよんだ。

「あったよ！探してたペンダント！」

「本当！！」

女の子は喜んでこっちへ走ってきた。

「おじちゃん、ありがとう！」

僕はまだおじちゃんじゃないと思いながらペンダントを渡した。

「あれぇ、おじちゃんも同じペンダントを持ってるのぉ？」

女の子は僕のペンダントを見つめていた。

ドキッとした。
そして何を言っていいか少し戸惑っている時、

「いつまで遊んでいるの！ご飯出来たから早く帰っておいで！」

女の子はお母さんの呼ぶ方向へ駆け出した。

「おじちゃん、ありがとう！」

走りながら、ふとこっちへ振り向き、ニッコリ笑って家に入っていった。

僕も家が恋しくなってきたので元の時代に戻る事にした。