ようやくタイムマシンが置いてある場所までたどり着いた。

息があがっていたが、そんな事より早速タイムマシンに乗り込み、次の時代へ行く支度をした。

電源よし!
作動チェックよし!

ダイヤルを確認する。

「さっきのおじさん、気味が悪かったなぁ。」

と嫌な気分だったけど僕は気持ちを切り変えた。

「よし!今度は過去に行ってみる事にしよう。」


今の時代、2107/05/30から1957/05/30へダイヤルを回す。


カチカチカチと音をたてながら時間セットを済まし、ガシャンっとスタートボタンを最後まで押しやった。

轟音がなり始め、やがて無音となり光が僕とタイムマシンを包みこんだ。











真っ白の空間から徐々に外の風景が見え始めた。


「ここは‥‥‥‥‥ん?」

アスファルトではなく土で出来た道路。
その両脇には畑が広がっていた。

見覚えのある風景だ。

道を進んだところに民家がポツポツと姿を表した。

ここは‥‥‥父さんと母さんが子供の頃の時に写ってた写真の場所‥‥‥‥‥。

隣から泣き声が聞こえてきた。

泣き声のするほうへ目をやると、小さな女の子が泣いている。
そばにはお母さんらしい人が女の子の目線あたりまでしゃがみこんでいた。

で困った顔をしてニッコリ微笑んでいる。

どの時代へ行っても人は変わらないんだねぁ!
この時代にも僕の居場所、僕を知る人は一人もいないんだろうなぁ。

そう思いながら道の先を進もうとした時。


「はい、プレゼントよ!」
ポケットからペンダントを取り出し、女の子の首にかけてあげた。

さっきまで泣いていた事を忘れたみたいに喜んで走り回っている。

「これは母さんのお母さんからもらったモノなんだよ。」

「だから大切に持っていてね。」

そのペンダントは銀色で十字の模様が刻んである丸い形をしていた。

僕ははっとした。

あの女の子は僕の母さん!?