とても目覚めのいい朝だった。

不思議と体がとても軽い。
サッとベッドから起き上がって灰色のカーテンを開けた。

サッと太陽の光が射し込んできた。

首からぶら下がっているペンダントがキラリと光る。

銀色で十字の模様が刻んである丸い形のペンダント。
母さんからもらった大事なモノ。

僕は眩しくて目を細めながら、大きく欠伸をした。

今日は何だか頭がすっきりしてるぞ

いつもの朝とは少し様子が違ったがそんな事は気にせずに作業場へ足を運んだ。

途中、キッチンへ寄り作業場へ玉パンを持って行き、食べながら作業に取り掛かった。







ウィィィィン!

ギギギギギッ!

額から流れ落ちる汗を拭う事さえ忘れるほど作業に熱中していた。

外には全く出ずに薄暗いガレージの中で黙々と完成を急いでいた。

右側には電圧計やら何かの装置のモニターが積んである。

すぐ左側にはドリルやら溶接するための工具やらよく分からない物が散乱している。

その中央には銀色の皿が置いてありサクサクのクッキーが山盛りになっていた。

僕は手探りでクッキーを口へ頬張ってはその繰り返し。













窓から見える景色はすでに真っ暗な闇になっていた。

すぐに左側の皿に盛ってあるクッキーに手を伸ばしたがいつの間にか銀色の皿だけになっていた。

ふぅぅぅっとため息を洩らしながらも新しいクッキーを出す事なく作業に取り掛かった。

指先はオイルで真っ黒になっていて、額や頬にもついていた。


完成が近づくにつれて、はやる気持ちを押さえながらドリルに手をやった。














どれくらい経っただろう。
鳥達が泣き始めて窓からゆっくりと太陽の光が射し込んできた。








「出来た!!」