ホントに心配してくれてたんだね。
「ありがとう」
あの後のことは、聞かないほうが良いかもしれない。
優だって思い出したくないことがあると思うし…

そのことは、今も知らないまま。


「ねぇ、啓…人多くない???」
「あぁ、多いなぁ~。俺だけ見てこようか?」
ホント啓君って良い人だなぁ~
女の子のしてほしいことをいつもしてくれる。
「お願いします!!!!!」
「おっけ。俺のダチが来たら一緒に待っててくんない?」
あたし、啓君の友達なんて知らないけど…
「啓のダチって…?」
やっぱり、優も分かんないよね…
「俺のダチは、髪の色が赤と金と茶色に金のメッシュ入れてるやつだから。インパクトあるからきっと分かると思う。し、皆一緒にいると思うし」
そんな派手な頭の友達持ってるくせに、なぜか啓君はただの明るめの茶色だ。
まぁ、ごく一般的なカラーってこと。
見た目、すごく清楚そうなのに実は不良だったりして!?
あたしは、不良は……大嫌い。
どうか、不良じゃありませんように!!!!!