家に帰ると、ままが晩ごはんを
作っていた。
「 あら、
心愛お帰りっ、
…って、心愛? 」
ままの“おかえり”の
返事も言わないまま
あたしは二階の自分の部屋に
向かった。
太陽が当たる、一番
明るい部屋。
ドアを開けて、
そのままベットに
倒れ込んだ。
涙が溢れる。
だけど、
“これは涙なんかじゃない。”
“ホストやってたのが
気に入らなかったんじゃない”
“好きだから泣いてるんじゃ
ない”
ただ、泣いてるのは
七瀬君のためじゃないって
自分に言い聞かして、
いつの間にか泣きつかれて
深い眠りに落ちた。