コウガは眉をひそめながら、写真を凝視する。

男性が倒れている近くにはゴミ袋が重なり、山になっている。

そして灰色のコンクリートの壁と壁の間に死体はあり、その地面も汚れたコンクリートだ。

「だろうな。傷口からして、心臓を刃物で刺されたんだろう。恐らく即死だな」

低い声でシキは呟き、画面から手を放した。

すると写真は一瞬にして黒く染まり、次に映ったのはサイトの入り口だった。

「あれ? シキ、何かした?」

「していない」

コウガは眼を丸くしながら、再びあの写真を見ようとした。

だがどんなに探っても、あの写真は出てこなかった。

「…もしかして、消されたかな?」

「サイトの管理者か?」

「あるいは投稿者。二人のどちらかであれば、投稿した写真は消せるから」

コウガはため息をつきながら、キーボードから手を離した。

「でもどちらにしろ、あんなモノを美しいと思う人がいるってことか。人間もキミ達以上に恐ろしいモノだね」