「どうするのよ翼!!こっちは反対側の電車だよ」
「いいじゃん。二人だけで現実逃避しよーぜ。明日行けばいい」
そのときの翼の表情はイタズラした子供みたいで幼少期の翼を思い出した。
昔っから悪さばっかりしてた。
翼の悪さは久しぶりでなんだかあたしも楽しくなってきちゃった。
遠足は一泊二日だから明日行っても全然楽しめる。
「この電車はどこに向かってるの?」
「俺のばあちゃん家があるとこ。さっきまで怒ってたくせに楽しそうじゃん」
「まぁね♪」
翼のおばあちゃんの家か。
もちろんあたしは行ったことないしおばあちゃんの顔すら知らない。
あれ?
翼のおばあちゃんって少し前に亡くなったはず。