「唯、パス」



誰かにそう言われ迷わずその人にボールをパスした。



「ばーか」



そう言った相手は翼だった。



あたしの考えはお見通しみたいだ。



「ごめんなさい。翼の方が一枚上手だったみたい」

「仕方ない」



あたしの役立たず。



でも、みんなはがんばってくれて1点を返して同点になった。



試合終了まであと20分。



「翼、ボール頂戴」

「何また遊びたいのか。ほらやるよ」

「唯パ…」

「あたしからボール取ったらもうエッチしないから」

「はぁ!?」



そう言い残してあたしは力いっぱいボールを蹴った。



あたしの蹴ったボールをサッカー少女のさつきちゃんがゴールに入れた。