「まったく困ったものね。男の子は。泥んこになって遊ぶんだから。あれでは、砂もぐれ太郎さんだわ。毎日洗濯しないといけないかもしれないわ」
 私が慌てて覗いて見ると、伯母は、例の「フフーン顔」になって、今日の出来事を得意気に伯父に話して聞かせていたのです。
 その日以来、下校時には、なりたくもないのに「砂もぐれ太郎」になる事が、私の日課となりました。