『このクラスでイジメがあったなんて俺知らなかった…。


なんで俺は知らないんだ??

なんでみんなは知ってるんだよ?!』


興奮気味の陸。


みんなはまた俯く。



『陸…落ち着け…。


お前だけじゃない、俺も知らなかったんだ。』



『桐島は教師だろ…』



そのとき、陸の小さな呟きが聞こえた。



『桐島は教師じゃん…。

俺らの先生じゃん…。

大人じゃん…。



だけど俺は生徒じゃん…。

みんなのダチじゃん…。

子どもじゃん…。


桐島は知らなくても仕方ない。

だけど俺は知っててもおかしくねぇじゃん!


なんでみんな俺には教えてくれなかったんだよ?!』


陸はそう叫んで机に突っ伏した。



「陸に…言えるワケないじゃん…。」


今度は陽菜がゆっくりと立ち上がる。