またあるとき。



『夏希?桐島心配してるぞ??』


そう言ってあたしの前に姿を現した陸。



小学校のころからずっと一緒だった。


親友と呼べる陸。


男と女の友情なんてありえない、
と思われるけどあたしと陸はそんなことまったく関係ない。



「桐ちゃんがなんで心配するの?」




『お前が元気ないからじゃね??』


陸はあたしの隣に座る。



「意味分かんないしね…。」



『桐島はお前の元気がない原因は自分のせいだって思ってる。』




「へぇ~」



無関心のように答えたあたし。


だけど本当は今すぐにでも桐ちゃんのところへ行って



「桐ちゃんのせいじゃないよ。」



と、言いたい。



『お前さ、素直じゃねぇよな。


どーせ夏希のことだから桐島のことが好きなんだろ?』


陸の顔を見ると全てを見透かしたような目であたしを見つめていた。



「そんなわけ……」


そんなわけないと言おうと思ったのに



『誤魔化そうとしてもダメ。』



と、陸に話を遮られた。




『夏希とずっと一緒だったんだぞ?



お前のことくらい分かるんだよ。』



そう言った陸の目は哀し気だった…。