陽菜、お前に約束してほしい。


今から書くことは誰にも言わないでくれ。


友美や陸、夏希にも言わないでほしい。


陽菜の胸の中にだけ、しまっておいて。



俺、今年でこの学校からいなくなる。


でも教師は辞めない。

次の学校は決まってるんだ。


南のほうにある離島で中学校の先生やることになってる。


このことは島先生も知ってる。


けど、なんで俺がそんな学校に行くかは知らない。


でも陽菜。


お前にだけ、教えるよ。


俺のこと、いつも励まして応援してくれたお前にだけ話す。



あーヤバイ…。


なんか分かんないけど、泣けてきた。


紙に涙滲んでるよ…。


ま、気にしないでくれ。



俺は夏希が好きだ。


このキモチに気づかせてくれた陽菜には感謝してる。


でも、教師が生徒に恋心を抱くなんていけないことなんだ。


陽菜は


「教師でも1人の男でしょ?!」


って、言ってくれたよな。


そうなんだよ。


俺は教師である前に、1人の男だ。


でも、教師でもある。