「ホントに必死で忘れようとした。


生徒会の仕事を朝から晩まで頑張った。

授業後のグラウンドは絶対に見なかった。


ソフトやってるみんなの姿を見るのは辛かったから。



たださ、それって逃げてるだけだったんだよね。


今となってはそう思う。



でも友美のおかげでまた、ソフトに向き合おうと思えたんだ。」


クラスの視線が友美へと向けられた。


友美は泣いたあとの真っ赤な目であたしのほうを見て微笑んだ。




「腕は1本じゃない。


そのことに桐ちゃんが気づかせてくれた。


練習すればなるようになる、

って陽菜や大ちゃん、友美や桐ちゃんが教えてくれた。



今もまだ、投げれるようにはなってないけど、ソフトと向き合ってる。


ソフトと戦ってる。



今のあたしがあるのはみんなのおかげなんだ。


だから、こういう場をくれたことだし、あたしから一言言わせて。」







「ありがとう。」