「……ごめんね。私、だいの気持ちには、こたえられない。」

「……」

「苦しいよ、寂しいよ、悲しいよ。けど、甘えちゃダメになっちゃう。ダメ人間になっちゃう。だいに甘えたら、だいも傷つくし、私もダメになっちゃう。」

「……」

「ありがとう。好きって言ってくれて。私は、一人じゃないって思えた!」

無理に笑った私。
だいは、切なそうな顔をしながら抱きしめてくれた。
強く、強く。
一人じゃないって実感させるように。
止まった涙が溢れた。
こんどは、達也のために泣いたんじゃない。
だいのために泣いた。
自分のために泣いた。
過去にけりをつけるためにないた。
未来への第一歩のために泣いた。
笑顔になるために泣いた。


だいも泣いていた。
泣かないの!
って言ったらまいもなって言われて、二人で笑い合った。

だいのおかげで心が楽になった。
これでまた、笑える。
これでまた、明日が迎えられる。

空が、赤かった。
きっとこの夕日は、一生忘れないだろう。