その場に何となくゆるーい空気が流れていた


と、その時、私はあることに気づいた


「斉藤さん、一つ聞いていいですか?」


私が、恐る恐る訪ねると、斉藤は、さして気にするでもなく「ああ」と短くかえした


「私が、見えているんですか?」



その言葉に、ハッとする総司と平助


そうだ

皆忘れかけているが、というか、完璧に忘れているが、私は亡霊なのだ

普通の人には見えないはず


それに、私ですらさっき気づいたのだから、慣れとは恐ろしいものである


質問された当人は、首を傾げていた


「見えるが、なにかおかしいのか?」


はい、十分おかしいです


と言いたいのを、ぐっとこらえた

「ああ!!十分おかしいなっ」


のもつかの間、平助が見事に突っ込んだ


このやろう!!

私が、キッと睨むと、平助はしゅんと小さくなった


だが、すぐ復活していた


この展開は、何回目だろうか

一体私は、何回自分は亡霊だと言わなくてはならないのだろうか


と言うか、こんなに私の姿が見えるのは、おかしくはないか

私は、本当に亡霊なのだろうか

真剣に考えるのも疲れたため、私は恒例の自己紹介をすることにした