総司は、一瞬目を丸くした


そのあと、すぅっと目を細めて微笑んだ



「鈴が生き返っちゃうなら、負けてもいいかな」


「冗談はやめて」


私が真顔で言うと、総司は「はいはい」といって私の頭をポンポン撫でた


絶対バカにしてるな


私が、ぶすっと拗ねている間に、いつの間にか試衛館についてしまった


「ついたよ、一君」


「ああ、ありがとう」


総司に、真顔で礼をいう斉藤は、なんだか面白かった

斉藤は、丁寧に私と平助にも礼をいった


「ところで、ここのもの達は、いつ帰ってくるのだ?」


斉藤の言葉に、ドキリとした


まさか


「斉藤さん、あなた、道場破りなの?」


すると、斉藤は少し考えたあと、困ったようにこちらをみた

「看板をとるつもりはないが……腕試しをしてみたいとおもってな」



まったく…

試衛館にやってくる人は、一回りも二回りも変わっているな


「でも、まだ皆はかえってこないよな」


道場破りだと言うのに、真剣に悩む平助


すると、さっきまで黙っていた総司が、ふっと笑った

「なんなら、俺が相手をしようか?」



総司のキラキラ輝く笑顔に対して、相変わらず無表情の斉藤は、静かに口を開いた


「手合わせ、頼み申す」







こうして、私と平助、総司と斉藤は、誰もいない道場へと向かった