私はなんだか彼の事が気に入った。
今まで居なかったから。
私と普通に話す男性なんて。
「美華!…その、どうだった?」
「いいわよ。ただし清掃員ならね。」
「全然OK!ありがとな、美華。」
「いいのよ」
「その堅苦しい話し方やめろよ。俺の事も優介で良いから」
「優介…」
「おう」
「優介…私の机、綺麗にしといて」
私の顔は自然と微笑んでいた。
こうして、優介は私の会社の清掃員として働いた。
「美華!デスクも会議室もピカピカになったぜ」
「お疲れ優介。次は一階ね。」
「はーい」
私はもう、優介に惹かれていた。
そんなある日、仕事が終わり、帰ろうとしたら優介がまだ残っていた。
「優介ー…」
優介は、椅子に座って眠っていた。
「疲れてるんだ…私、優介に無理させてたかな?」
ふと、優介の唇が目に入った。
…私…何考えて…
気づけば、私と優介の唇が、重なっていた。
「ぅ…」
私は涙を流した。
悲しいのかな?
わかんない。だけどなぜか涙が流れていた。
「…何泣いてんだよ。」
「優介!?お、起きてたの!?」
「美華。俺、美華が好きだよ。」
「何…言って…」
「美華は?俺の事好き?」
「…」
私は無言で頷いた。
そして私たちは、キスを交わした。