「美華?どういうことかしら?勝手に面接をするなんて」



「お母様…彼が熱心に頼んでいるものだから。」



「そう、でも残念ながら彼を採用することはできないわ」



「どうして…!?」



「美華。私がどうしてあなたにこの会社を任せたと思っているの?あなたならここを一流の会社にできると思ったからよ」



「…ありがたきご信頼。」



「庶民を雇っていたらこの会社は一流になんてなれないじゃない」



「…はい。」



面接をする前に、お母様に断られてしまったわ。



彼…南優介には何て言おうかしら…



「優介さん」



「あれ?面接は…?」



「残念ながら、不採用になりましたの」



「え…!?でも…」



「ごめんなさいね、お母様の決定なの。」



「そんな…っ」



「ごめんなさい」



そうして立ち去ろうとした



「…っ美華!」



「…!?」



私の名前を呼び捨てで呼ぶなんて、お母様以外いなかった。



「あなたって最後まで無礼なのね。」



「最後?最後じゃねぇ、始まりだ。」



「不採用って言った途端、ずいぶんと態度が変ったわね」



「これが本当の俺だよ。」



「最初から嘘のあなたなんていないわ」



「狼の仮面をかぶった狼ってところかな」



「ふふ…面白いわね、南優介」



「美華には負けるよ」



「気に入ったわ、ここで雇ってあげる」



「いいのか!?」



「お母様にもう一度話してみる」



「ありがとう!」