明らかに嘘だと分かる。
これなら、さすがの私でも騙されない。



「やばい!内出血が…!」

「……あ。ご、ごめんね」



ドレスのデザインで剥き出しの肩は、確かに少し赤くなっている。

まあ、内出血では死なないと思うけど…



でもやっぱり内出血みたいな現実的な言葉だと申し訳なく感じてしまった。

骨が折れたとかだとあまりに嘘っぽくてちょっとあれだけど。


とりあえず謝ってみれば、ヴェルは私をきっと睨み付ける。


おぉ、美形だとやっぱ迫力ー。



「お前のせいだぞ!醜くてもうホールに出られないじゃねぇか!」

「え…、そんなこと言われても」



困る。と続けようとしたら、何を思ったのか、ヴェルは私の肩をがしっと力強く掴んだ。


…なんか嫌な予感。



ヴェルの突飛すぎる一連の行動に目を白黒させながら、私は嫌な予感のせいで冷や汗が背中を流れるのを鮮明に感じていた。



「いい案を思い付いた。お前が協力してくれればいいんだよ」

「はい?」