…え?なんかとんでもない単語が聞こえたんですけど。
ぴくぴくと頬が引き吊るのを感じる。
「ごめん、私の聞き間違いかな。……今、何て言った?」
「だから、喧嘩売ってんのかって聞いてるんだよ」
いやいや、そっちじゃなくて…
「ちょっとごめん」
そう告げて、私はドレスの上からヴェルの胸に手を当てた。
さわさわ。さわさわ。
…うん、ぺったんこだ。
期待していた膨らみはないけど、残念なことに私もぺったんこだから何とも言い難い。
…ああ、胸を基準にできないって悲しいな。
思いがけず突き付けられた事実に切なくなりながらも、私はめげずにさわさわ。
「………」
「…………」
「……………何をしてるのか聞いてもいいか?」
「ダメ」
即答。
だって胸をさわさわしてますって変態みたいじゃん。
って、実際やっているんだから私変態なのか。