たまらなくなって、私はヴェルの頭に手を伸ばしぐりぐりと撫でてやった。
私の突飛な行動にヴェルは身体をかちんと固めて、ぱちりと瞬きを一つ。
か、可愛い!
けれど、キョトンとした表情はすぐに険しいものに変わっていって。
「…………何の真似だ」
「えへへ、だって可愛いんだもん」
見た目はもう天使級。
でも私的には外見よりツンとデレのギャップに…クる!
調子にのってもっとぐりぐり。すると、
ぱしん。
といい音を鳴らして、私の手ははねのけられてしまった。
ああっ、デレが消えた!
消えてしまったデレを軽い調子でにやけながら嘆いていると。
「男に可愛いは、喧嘩売ってるのと同義だぞ」
………?
不機嫌そうな低い声で落とされた言葉に、私はにやけ顔のままぴきんとかたまった。