「 君が、葵ちゃん? 」


「 ・・・はい 」


「 美夏が世話になったみたいで、
  ありがとね 」





胸元がガバッとあいたTシャツ、
耳にはいくつかピアスが光っていて、
私の頭を撫でる手には指輪が2つ。
見た感じ、”チャラい”彼は
先輩と美夏さんの幼馴染で
美夏さん曰く、優しい・・らしい。





「 ・・・いえ・・そんな・・・ 」





なんて返していいのか分からずに
いた私の肩に手がおかれて、





「 悠太、これ俺の 」





グイッ、と後ろに引き寄せられて
先輩の腕に包まれた。
気温が高いのも、あるんだろうけど
私、今絶対顔が赤い気がする。





「 へぇ・・・初恋、叶ったんだ 」





”よかったな”
私と先輩を交互に見たあと、
そう言って笑った悠太さんは
言葉通り、優しかった。