「ずっと、あず無理してんちゃうかなって…思っててん。
 でも、変に拓ちゃんの話して気ぃ悪さしたらあかんし…。
 でも、よかった…ほんまによかった…」


夏希は安心したのか、肩を撫で下ろして笑う。


「っごめん! なんか、気ぃ使わしてたな…」


「ううん、…えぇねん!
 あずの一途さが、嬉しい」


「っふ。 言い換えたら、未練がましいけどな」


その言葉は冗談なのか本心なのか…。
自分でも、分からなかった。

ただ、自覚はしてるんやと思った。


「あほか。 未練がましくなんか、ないわ。
 逆に、ずっと待ってるあんたは…すごいよ」


夏希は梓紗の頭を優しく撫でた。


「もう! ガキ扱いせんとってぇ」


「あはっ、ガキやん?」


「もう、23ですよ」


そのあと、話題は高校時代へと繋がった。