「あたし、やっぱり…拓馬くんが好き。
忘れられへんねん…」
夏希の目を見れず、視線を逸らしてしまう。
それでも、口を閉じてはいけないと、声を震わしながら話すのをやめなかった。
「拓馬くんがあたしのとこに来てくれへんかっても、後悔はない。
だって…拓馬くんの人生やもん。
確率なんか分からんけど、でも、もし…今でもあたしを想ってくれてるなら、会いたい。
ほんで、支えてあげたい、そばにおりたい。
我が儘で自分勝手かもしれんけど…、一緒におりたい」
ありったけの想いを、夏希に話した。
涙で視界がぼやけてくる。
…しばらく沈黙が続いた。
話しているとき、夏希は何も言わず、ただ頷いていた。
呆れたかな?
やっぱ、未練がましいかな?
「…よかった」
先に沈黙をやぶったのは……夏希。
夏希の方に視線を向けると、目に涙をためて、それが溢れだしていた。