それに、拓馬くんがいなくなってから…もう、誰も彼の話をしなくなった。
それは、あたしに気を使ってるからなのか…それとも、たまたまなのか。
あたしも、極力彼のことは考えないようにしている。
考えると、想いが溢れて泣いてしまうから。
…それが゛彼への想い゛を表してしまい、切なくなるから。
でも、今日は違う。
あたしは夏希に、拓馬くんの話を切りだそうと決めていた。
彼に会いたい気持ち、今でも待ってるいること…忘れられないこと。
決心出来たのは、晴樹くんのおかげです。
「あたしな……」
タイミングを見計らい、口を開いた。
緊張感がただよい、冷や汗が出てくる。
そんな中、決心が鈍らないように勇気を振り絞った。