梓紗はリビングで、テレビの電源を入れる。
これといっておもしろい番組がやっていなくて、適当に番組を見ていた。
「あっ、ありがとうございます」
数分して、晴樹がリビングに戻ってきた。
晴樹は、梓紗の真横に腰をおろす。
「…真剣な話、しよや」
梓紗からリモコンを奪い、テレビの電源を切る。
横を見ると、晴樹は真剣な表情をしていた。
その瞳を逸らすことが出来ず、晴樹の方に座り直す。
「俺、前にも言うたけど…梓紗ちゃんが好きや。
でも、まだ振らんといてほしい」
「どういう意味ですか?」
「もし、好きなやつに振られたときは…俺を頼ってほしい」
晴樹は真剣に、梓紗を見つめる。
その瞳が、苦しく感じた。