「龍くん、制服似合わんなぁ。
 やっぱちっさいし、学ランが合うてる」


夏希が冗談をふきかけると、龍は、必要以上に笑う。


「夏希さんこそ、無理しすぎですよ」


龍が返した言葉に、ツボってしまう。


「あず、笑いすぎー!」


しょうもない冗談を言い合いながら、5人で力也の家に向かった。


「力也くん、何組やったんですか?」


「2組。おとなしいクラスで気重いわ。
 …まぁでも、俺も受験生やしな」


寝ころびながら、力也は雑誌をめくる。


「進学するんですか?」


「うーん、どうやろ。
 俺、べつに夢ないし」