「内田、さん…頭髪や服装……」


教室を出る寸前で、止められる。


「え?なんて?」


首を傾げると、担任は何事もなかったかのようにおどおどした。


「だるすぎる…」


並んでいくのがめんどくさく、一番後ろからゆっくりついていく。


「西中の姫、強いねぇ」


後ろから肩を叩かれ振り返ると、茶髪の男がニコリと微笑んだ。


「……誰?」


見覚えのない男に、名前を知られていることに嫌悪感を抱く。