…さてと、ひとまず中島を探さねば…。




教室を後にしたオレは、中島を探すため、校内を捜索し始めた。



―…



どれくらい校内を捜索しただろうか…?

だか、中島の姿は一向に見当たらなかった。





…もう、帰ったんかな…?



オレがそう思いはじめた時、




ガタンッ。




体育館の中から音が聞こえた。




…何の音だ?




不思議に思ったオレは、そっと、体育館の扉のかげから中の様子をうかがった。




ダン、ダン、ザシユッ。


ダン、ダン、スッパッ。





リズミカルな音が響いた。 




どうやら、誰かがバスケの練習をしているらしい。




…バスケかぁ〜。





実は、小、中でバスケをしていたオレ。中学3年の頃は、キャプテンをつとめたこともある。




バスケ部を引退してから、久しぶりに聞くボールが跳ねる音…。オレの胸が高鳴った。





…誰が練習してんだ?





未だに練習をしている誰かは、後ろを向いていてわからなかった。




その間も、




ダン、ダン、スッパッ。

ダンダン、ザシユッ。




楽しそうなボールの弾むおとが聞こえてくる。




…っ。もう、我慢できねぇ。





あまりにも楽しそうなその音に我慢できなくなったオレは、ついに体育館の中に足を踏み入れた。





そして、中で練習しているだろう男に、




「…なぁ、オレもまぜてくんねぇ?」



こう言ってしまった…。相手が誰かも確認せずに…。