三田村のおかげ(?)でなんとか、オレたちは、なんとかHRに遅れることなく、自分たちの教室にたどりつくことができた。
「はぁ〜、久々の全力疾走だったぜ…。」
そう言って、オレは、自分の席につくと、ネクタイを緩め、シャツの襟をパタパタとあおいだ。
『…同感。』
藤条の顔にも汗がうかんでいる。
『この、裏切りもの〜。オレが教えてなかったら今ごろ間に合わなかったんだからな!!…それなのにオレをおいてくなんて…』
まだ、怒っているのか、三田村は、そう言うと、ぷいっとそっぽを向いた。
「あ〜はい、はい。悪かったな。」
オレがそう言った瞬間、
ガラッ。
教室の扉が開く音がした。