「それじゃあ、点滴開始しますね」
看護婦さんが私の腕にブスっと
ためらいもなく刺した
・・・あーいってえええ!
思わず涙目・・・注射ヤダ!
「もー小豆、
そんな事で泣かないの、あんた何歳よ?」
15です、でも痛いんです
「ま、そういう所、小豆らしいけど」
ほ、褒めてるんですか?奈緒ちゃん・・・
涙目で頭の上にいる、
奈緒ちゃんを見上げる
「あ、ヤダ、そんな目で見ないでよ」
へ、なんで・・・・?
「はあ、そんな目で見られたら、
弟もイチコロだわ」
「え、奈緒ちゃん、弟さんいるの!?」
「え、いまさら何言ってるの!!」
思わず体が仰け反った
それと同時にベットがガタッと揺れて
看護婦さんに
「点滴中なので、
出来れば動かないでくださいね」
と注意されてしまった
でも私はお構いなしに
「奈緒ちゃんの弟さん、何歳?」
「え、小豆と年齢は一緒だよ」
「本当!?じゃあ、何て学校なの?」
「学校も小豆と一緒」
「え、ウソ!?」
「ウソなんて付かないわよ」
「いいなあ、
奈緒ちゃんの弟さん、
会ってみたいなあ」
きっと奈緒ちゃんに似て、
スラっとして面倒見がよくて・・・
なんて妄想を膨らましていると
「何言ってんの、もう会ってるじゃない?」
「え・・・」
度肝を抜かれた
だって、奈緒ちゃんの弟は私の身近にいて
私を巻き込んだ張本人だったんだもん
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