─珠蘭Side─


私は静かに光舞の話しを聴いた。


壁に手を当てて、下を向く光舞。



『言われたんだ。
『光舞、お前には俺を越えられない。
だからいっそサッカー辞めたら?』って』



そんなの…──


酷いじゃん。


越えられないとか、まだわからないのに。


簡単に辞めたらなんて言ったら。



『あいつが言う事は正しかった。
勉強もスポーツも何もかも、何1つ抜けなかった』



本当?


こんな光舞初めて。



『俺は元々口が悪く、友達なんていない。
仁は俺と真逆。
いつも皆の輪の中』



光舞…───



─珠蘭Side─ E N D