─光舞Side─
俺には、どんなに練習しても勝てない、つまり越えられないライバルがいた。
佐王 仁(サノウ ジン)
レギュラーの中でもあいつだけは皆から人気があり、どんなミスでも許された奴だった。
そんな中、あいつは俺に言った。
『光舞、お前には俺を越えられない。
だからいっそサッカー辞めたら?』
『はぁ?越えられない?』
そいつは笑って言ったんだ。
俺がずっとどんな自習練して、どんなに頑張ってるのかも知らずに。
『だって光舞に才能ないし』
『だったら何だ?』
仁はいつも勝ち組にいた...
あいつがいたチームは負けた事がなかった。
だから簡単にエースをとった。
『いつまでその性格でいんの?』
『っ!!』
『お前みたいな性格じゃ、一生俺を抜けないぜ?』
性格───
俺の一番嫌いな所。
ずっと口が悪く、誰からも話しかけられない性格。