「ひゃぁっ!!」


『ちょっとくらい我慢しろよ!』



右足に貼られた湿布。


ひんやり冷たい湿布。



「はぁ…、これでサッカーの練習できなくなる」



せっかく智に教えてもらったのに…


私の不注意のせいで、光舞に迷惑かけてしまった。



『まぁ、今は足を直すのがさきだからな…』


「ごめんね?
私のせいで迷惑かけて」



目の前の光舞から視線を落とし、自分の足を見た。



『珠蘭は俺を支えてくれた。
だから次は俺がお前を支える』


「こうまぁ」


『泣くな!
つまりだから、誤るな』



私は光舞の手を握った。


温かく、大きくて、優しい手。


私の手なんて簡単に包み込んでしまう。



「カッコつけすぎ!」


『お前は泣きすぎ』



私の涙をふと、手で拭ってくれた。



『お前に涙は似合わねぇよ』



そして目を合わせ、優しく涙でしょっぱいキスをした。