「俺が一人だと心配か?」
何か嬉しそうね。
「またさっきの話を蒸し返すのか?」
「……」
「『奥さんが出産で実家に帰ってる男は浮気をする』か?」
「そ、そんなこと…思ってません」
何で分かったのかしら。
「クククク…お前、顔に全部書いてある」
「……」
そ、そんなに分かりやすいの?
手で顔を隠す。
「クククク… ば~か」
私の両手を顔から剥がして
「志織」
私…恥ずかしくって顔を上げられないじゃない。
「志織」
「……」
耳元で
「心配すんなって。さっきも云ったけど俺には他の女なんて存在しないって。女はお前だけで充分だから」
充分って
「恭介さん…ご、ごめんなさい」
「クククク…相変わらずヤキモチ妬きだな」
「……」
恭介さんに抱きついた…が
「クククク…腹がでかすぎんな」
「はい。フフフ…」
Jr.で しがみつけない。
「ん。じゃあ晩飯の支度をして頂けますか?もうすぐ6時になんぞ」
「えっ? あ、そうですね」