「どういう事ですか、宮地先輩」



「さぁね〜」






俺は職員室を出てすぐに宮地先輩を呼び出した











「…宮地先輩も水沢先輩に何か頼まれたんですか?」





「違うよ、これは俺の独断」





…びっくりした





宮地先輩って水沢先輩に従ってる感じだったし











「…余計だった?」











なんで












この人は俺を見透かしているように見えるのだろう












きっとこの転機がなかったら俺はこれからもずっと走らない













だから…

















「…出ますよ」





そう言うと宮地先輩はニヤリと笑っていた











「頑張れよ!応援してる


ってか応援行くわ」



「え、いいですよ」





「そんな事言うなって


ちゃんと美央も連れてくから!」











そういえばあれ以来水沢先輩に会っていない












…こそこそ写真は撮られてるけど












「じゃ、またな」





そう言って去って行く宮地先輩に俺は言った












「…本当に、ありがとうございました」












頭をあげると












宮地先輩は右手の拳を高く挙げていた













「…かっこよくないですよ、先輩」



「う、うるせぇ」