もう一度あの教室に目をやった。
でも観ているのは先輩じゃなくその後ろの男の人だった。
「…?」
俺ついに男からも好かれるようになった…?
うげぇ。
「相太ー!」
ダチがこっちこっちというと言いながら
急げという素振りをしていたので仕方なく懸命に走った。
「何…」
「おもしろいもん見してやる♪」
「は?」
「あれみて☆」
ダチの指さした方はやっぱりあそこで。
でも今俺の目に映っていたのはあんまりみたいものでは
なかった。
先輩がさっきの…後ろの男の人と話している姿。
後ろの奴はこっちを指さしていた。
でも先輩は俺の方を向くことなく前を向いた。
あからさまに避けている事がわかった。
「相太きゅん?」
「ざけんな…」