不意に彩が言っていた「奪っちゃえ」という言葉が
頭をよぎりかぁっと顔が赤くなった気がした。
すると相太君の顔が近づいてきた。
「な、なによ…」
顔を遠ざけようと下げたら
後ろに壁がありコツンと頭を打った。
痛がっているあたしを
お構いなしに顔が近づいてくる。
「先輩…」
「なに…」
この目は怖い。そう思った。
絶対何か言われる。
「まさか…」
「へ…」
相太君の口元がにやりとあがった。
「俺に惚れましたね」
またまた、かぁっとなっていく。
こいつ…
「やっぱかわいいな~先輩は♪
あー俺用事あるんでいきますね~」
恥ずかしい言葉を言い残し相太君は手を振りながら
来た時とは違いるんるん♪で教室を後にした。