「ア…ノ…バ…」

「相太?」

先輩は難しい顔をしてこちらを見ていたが

急に視線を前へと向けて立ち上がったから

流石に先生に何か言われたんだろう。


だけど、またすぐにこっちを向いた。

「相太…お前…」

友達から何か言われてるのは

わかってたけどやめなかった。

「“キョウ…アノバショデ…マッテル”」

先輩はやっと通じたようで

最初頭に?マークがついたような顔をしていたが

何の事だかもわかったようで

ぱぁっと顔を明るくしてこっちに向かってほほ笑んだ。

「…よかった。」

「ねぇねぇ、相太~」

ハッと気付いた。隣の友人を無視しながら

変な事していた自分を友人は疑った様子だった。