「まって」

そんな声も届く事なく
近藤ちゃんは教室を出て行って
しまった。

「秘密か…」

ポツリと呟いた言葉は誰かの耳に
とどくわけなく

静まり返った教室に響いただけ。

悲しくなった私は
スクバをしょい夏の夕日が差し込む
教室を出た。